2022年10月1日(土)から10日(月・祝)までの10日間にわたって長野県松本市で開催される演劇的フェスティバル「FESTA松本2022」。
今回の「FESTA松本2022」に参加される方々からコメントをいただきました。
酒井はな(舞踏家)
「昨年に引き続き今年もFESTA松本に参加させていただけてとても嬉しいです。私は松本市の街の雰囲気が好き。それに加えて、FESTAで活気づくと居るだけで高揚してしまう。ついついひょっと、街で踊り始めても、それを立ち止まって見るひとがいる。ここにはパフォーマンスをみることが生活に根付いているのを感じます。お店も活気に満ちて、対話したり自問自答したり、誰かのおしゃべりがBGMに。私は出演者として、みんなの話題になりたいし、他の演目を見て誰かと論じてみたい。毎年秋がくるのをとても楽しみにしています。」
優れた技術と表現力、品格のある舞台で観客を魅了する日本を代表するバレエ・ダンサーで、現在は新国立劇場バレエ団“オノラブルダンサー”。Altneu(アルトノイ)『杜子春-Toshishun-』と『パフォーミングアーツ・セレクション2022』に出演する。
大森博史(俳優・演出家)
「カオス・シチリア物語の中から選ばれた六つの物語。ある時は美しい自然を語り、暴力があり、星を眺めての哲学的語り、ユーモア…、絶望があってその克服が語られます。自分の農地で働く小作人に誘拐された地主の話。夜中に毎晩、寝言で大笑いしていると神経衰弱の女房になじられ複雑な気持ちになる夫の話。羊飼いに遊ばれ虐められ、巣と卵を壊され上空高くに飛翔したカラスの話、他三遍。今回、松本の串田さんが描く生きる喜びと共感のフェスティバル。ミッツアロのカラスが語る生の輝きがどう響き合うか一同心から楽しみにしています。」
加藤拓也(脚本家・演出家・映画監督)
「まつもとには幾度か訪れた事があり、のびのびとした劇場の面構え、劇場の周りにあるお店の面白さ、そこに集まる人々の雰囲気、とにかく環境が素晴らしく、いつか公演できればと思っていました。そうしたらば、なんと劇団として初めてのツアーで行かせてもらえることに、しかもお祭りに参加する形で! これまで演劇祭には一度も参加したことが無くて、一度に集まるなんて、なんて楽しそうなんだととても楽しみにしています。初めての地方公演がまつもとで、FESTAでという事もしっかり脳みそに刻まれそうです。そして『ドードーが落下する』という作品は「青春失踪劇」と名付けられている通り、失踪した男と、された男の話です。今から稽古も本番も待ち遠しい!是非いらしてください。」
主宰する「劇団た組」の全作品の脚本・演出を担当し、第10回市川森一脚本賞を最年少で受賞。作・演出を手掛けた『ドードーが落下する』を上演。
髙山さなえ(劇作家・演出家・高校教師)
「髙山植物園主宰の髙山さなえは、今福島県に住んでおります。慣れない土地で、やった事もない高校教師を日々努める中で、「演劇」という科目が世に立ち上がっていく瞬間に生きています。この経験は、劇作家・演出家としてのこれからを支えてくれると同時に、永遠に繰り返すが如く、劇作家・演出家の経験が演劇教育に活かされるのだという、皮膚がヒリヒリする感触を保ちながら、髙山植物園は松本での再演に臨みます。新たな出演者を迎え、より一層風変わりな演劇を楽しんでいただけましたらこんなに幸せなことはありません。10月に松本でお会いできる日を、楽しみにしております。」
松本市出身。信州大学人文学部を卒業、2018年に「第7回近松門左衛門賞」を受賞。FESTA松本には昨年に続いて2回目の参加。昨年「第27回劇作家協会新人戯曲賞」を受賞した作品『あなたがわたしを忘れた頃に』を上演。